9/7のと里山農業塾№10 秋野菜の栽培と販売の話し

NICE FARM代表・廣和仁氏によるのと里山農業塾・自然栽培培野菜コースは今日が最後。残り3回は別の講師による特別講義が予定されており、去年12月に始まった農業塾もいよいよ終盤だ。最後ということもあり、廣さんはカリキュラムの栽培の他に、販売および量子論の話しが加わったが、大変面白かったのでこちらをメインにまとめる。

■販売

自然栽培の野菜も米もこれまで売るのに苦労したことはない。少量多品種栽培(約60種類)で、個人客への野菜セット販売が中心。固定客約50人。3000円セットなら8~10種類を入れる。毎週野菜の種類は変え、色どりは良くしたいが、B級品でもよい。大半は普通の野菜でたまに変わり種を入れる。最適な収穫時期の見極めが難しい(経験や追求を積むしかない)。単品より高単価で売れるが、子育て家族に買ってもらいたいので価格そのものは抑えている。最初は野菜の特徴(例えば、先っぽは辛いなど)や食べ方のメッセージが必要。30℃超えたらクール宅急便、それ以下なら普通便。再利用の段ボールも、説明付きなら有り。過剰包装も不要。

個人客以外に飲食店、特に食材にこだわるイタリア料理店が多く、サイズの小さいものが好まれる。A級品で高単価。金沢の料理人は自然栽培野菜を求めている。慣行栽培野菜に比べて自然栽培野菜は、中身が詰まっているので味が滲み込むのに時間がかかるが(調理方法を工夫しなければならない)味は圧倒的に良いと評価されている。

余ったら直売所や自然食品店へ。例外を除き安売りはしない。なお直売所等は「見た目」。カレーセットなども売れ筋。

ポケットマルシェや食べチョクなどのネット販売も簡単で良く売れる。食べチョクは手数料2割取られるだけ、圧倒的に良く売れ、入金チェックもやってくれるので楽。

因みに少品種大量生産の場合、栽培は楽だが、卸中心になり単価は低くなる。また病気で全滅といったようなリスクもある。冷凍しておき冬場に加工する方法もある。

秋野菜の栽培について:カリキュラム内容をスライド中心にまとめておく。

ほうれん草

酸性土壌ではダメで、改良策は燻炭または炭の粉(お薦め)。石灰はアルカリ度が強すぎてるので避ける。

在来種の日本ほうれん草は本当においしいが、包装のしにくさから今は店頭で売られていない。自家消費用にぜひお薦め。

タマネギ

タマネギは特に苗作りが難しい。ビニールハウスかトンネルが不可欠。固定種タマネギで保存に適しているものは、野菜セットで重宝する(野菜がないとき入れる)。

ニンニク

ニンニクは種が高いので自家採種するしかない。最初は日本の生産量の8割を占める青森県産で。また、ジャンボニンニクは使いやすく、イモのようにホクホクでお薦め。

ソラマメ

エンドウ

田んぼの土つくりのために、窒素固定してくれるヘアリーベッチを植えることがあるが、強くて大きくなり過ぎるので注意。田んぼ用の品種「まめ助」にしないとダメ。カラスノエンドウくらいが良い。

木村秋則さんはリンゴの木の周りに大豆を植え徐々に広げていくが、大豆は難しいので、ヘアリーベッチの方が便利。