6/1のと里山農業塾№6

今回は特別講義2題で、DGC基礎研究所理事 森川千春氏による『土と微生物について』と、結の手 畑部長&ドクターの三林寛氏による『仏教で読み解く自然栽培』があった。いずれも奥の深い膨大な内容を含んでいるので、いまだ消化不良で全貌を紹介することは不可能、印象に残った数点のみを記すことにして、機会があるごとに学び直したいと思う。

『土と微生物について』:DGC基礎研究所理事 森川千春氏(石川県農林総合研究センター)(上の写真)

  • 圃場に微生物を入れるのは効果がない。むしろ微生物が増える環境を整えてやることが重要
  • 圃場の排水を良くすることが最も大事。もし溝に水が溜まっていたらアウト、ちょっと湿っているだけでもダメ、必ず病気が出る
  • 自然栽培に画期的な手法はない。排水、水やり、草刈り、これら単純なことを組み合わせるのみ
  • 微生物は多様性と数の多さが肝

微生物の世界は、目に見えずほとんど分かっていないが、土壌も人間の体も健全性を左右するキーになっているのは確かだと思うので、今後も継続して追求したい。

『仏教で読み解く自然栽培』:結の手 畑部長&ドクターの三林寛氏(下の写真)

木村秋則さんは、自然栽培のことを伝えるとき「技術が先ではなくて、心が先」、「心がないと自然栽培はできない」と仰っているが、どのような心を持つかは不明で謎だった。

今回の講師である三林寛氏は、圃場に行く際必ず瞑想して、仏陀から学んだ下の写真の「心」を整えるとのこと。木村秋則さんの「心」かどうかは不明だが、三林氏にとっての「心」は一つの手がかりになると思う。

なお、三林氏が仏教から読み解かれた「自然栽培」とは、下の写真のようになる。「色」とは物質のことで、地、火、水、風を4大色という。

三林さんたちのグループ「結の手」が耕作放棄地(大抵の場合、作物ができない条件の悪い土地が多い)を借りて自然栽培を始める際、決め手になったのは、グライ土壌の場合は水はけの改善、粘土質土壌の場合は水はけの改善と有機物の補充(麦わらのすき込みが有効)だったとのことで、上記の具体事例だと受け取った。