コウノトリ育むお米 反省会

令和5年度米作りの反省会が12/19(火)に催されたので参加した。今年はコウノトリ育むお米、慣行栽培とも品質低下と減収が重なる最悪の結果となったが、その原因が開花期・登熟期の高温(白未熟粒多発と不稔の多発)と、イネカネムシが北但馬に拡散したことのようだ。

僕の玄米評価も、食味成分・特性においては(水分、タンパク、アミロース脂肪酸度、スコアで食味格付けを行う)最高ランクのSだが、外観品質においては(整粒、未熟粒、被害粒、死米、着色粒で外観格付けを行う)最低ランクのDで、特に未熟粒および着色粒がDと劣り、全体の傾向と一致する。そこで、原因の高温は今後も続くと考えられるので、高温対策をまとめて、来年以降の米作りに導入しようと思う。

高温対策ポイント1: 遅植え

出穂を遅らせて登熟期の気温を抑える:但馬で出穂後20日の平均気温が27.0°Cを下回るのは、過去5年間の平均気温で8/15、平年値(30年間)では8/8である。コシヒカリが8/15以降に出穂するには、6/10以降の田植えとなる。

高温対策ポイント2:植付密度は高め(50~60株/坪)

疎植にすると㎡当たり分げつ数(穂数)少なく、大穂となり、弱勢頴果(頴果とは精白したときにぬかとして取り除かれる部分)が増加する。そのため栄養状態によっては乳白色の発生が多くなる。よって、高温時には植付密度を高めることが穂数、収量確保にとって重要である。

高温対策3:水管理と高温対策

①掛け流し:気温より低い用水をかけ流すことで水温、地温を低く抑える

②昼間深水・夜間落水:午前9時~10時頃かん水し、気温が用水温を下回り始める午後4時頃に落水する

③飽水管理・保水管理:湛水せずに土壌を常に湿潤状態に保つ方法(足跡に水が残る程度に水を保つ)

高温対策4:中干し以降は飽水管理:3cm程湛水し、自然減水して足跡に水が残っている内に再び入水

高温対策5:刈取適期を見逃さない

①出穂期からの積算温度1,000℃≒40~45日、②黄化率95%より早めから刈取開始(2日前頃)⇒90%

以上の高温対策を来年から実施する。特に田植えの目安が、これまで5/27だったが、6/10以降にと2週間ほど遅くなるので、播種から始まる育苗スケジュール全体を遅くする必要がある。